新型コロナワクチンに長期的な後遺症はないの?|遺伝子|不妊|妊婦|授乳

新型コロナワクチンに長期的な後遺症はないの?

 

通院中の患者さんから、コロナワクチンの長期的な安全性について相談がありました。

今回のコロナワクチンは初めてのm-RNAワクチンであり、

開発から接種までが非常に短時間だったため不安に思う方が多いですね。

未知のものを自分の身体に入れるという訳ですから、不安に思うのは当然だと思います。

私は医師という職業柄、学会を通じて様々な専門の先生のセミナーを受ける事ができますので、

そこで教えて頂いた内容を踏まえてお伝えしたいと思います。

よく聞く心配として、m-RNAワクチンが遺伝情報に入り込み

将来的に悪さをするのではないかというものです。

まず今回のワクチンに使用されているRNAは、

ウイルスの表面にあるスパイクというタンパク質を作り出す情報のみ

人工的に作り出して使用されています。

決してウイルス全ての情報を使用しているわけではありません。

そしてこのRNAは注射をした後に筋肉細胞に取り込まれるわけですが、

数日以内に分解され無くなってしまいます。

RNAをもとに作られたスパイクタンパクも2週間ほどで無くなってしまいます。

そしてこのスパイクタンパクに対して身体が免疫を作り出し、

本物のコロナウイルスへの免疫力が獲得されます。

遺伝情報に影響を与えるためにはRNAがDNAに変換されることが必要です。

しかし細胞内ではDNAがRNAへ変換される流れはありますが、

RNAがDNAへ変換される流れはないため遺伝情報に組み込まれてしまうことはありません。

以上の事より、今回のm-RNAワクチンが遺伝情報に組み込まれて

将来的に癌や不妊などの大変な問題に繋がる可能性は否定されています。

m-RNAワクチン自体もこれだけ注目されたのは今回が初めてですが、

実はその研究の歴史は何十年もあるそうです。

そしてその報告でも長期的な副作用は認めていないそうです。

不妊を心配する声もありますが、m-RNAワクチン接種後の

精子の量は減少しないことが報告されています。

また妊婦さんでは接種後の妊娠合併症や胎児異常の頻度は

ワクチンを接種していない人達と変わらないことが報告されています。

授乳婦さんへ接種した際にも授乳婦・授乳児共に問題は報告されていません。

妊婦さんや授乳婦さんはとりわけ慎重に判断することが必要ですが、

現時点で分かっている情報では恐ろしい問題は報告されていませんし、

日本産婦人科学会もワクチン接種にお墨付きを与えています。

接種を検討したい方は産婦人科主治医とご相談し

接種の許可を得て頂ければより安心かと思います。

ここから先は私の私見ですが、恐らく日本では残念ながら集団免疫が達成されるのは

相当先の話だと思います(ひょっとしたら無理かもしれません)。

そうなると自分や家族の身は自分達で守るしかありません。

今回のコロナワクチンはそのための強力な武器である事は間違いありません。

私としては是非皆さんに前向きに検討して頂きたいと考えています。

最終的に接種するか止めるかは、ご本人やご家族が相談の上で決めるべき事です。

もし迷うようならかかりつけ医などと相談されることをお勧め致します。

ここまでお読み頂き誠にありがとうございました。

わかまつ呼吸器内科クリニック

若松俊秀

Illustration by Freepik Storyset

 

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