検診はどこまでやれば良いの?

皆さんこんにちは、わかまつ呼吸器内科クリニック院長の若松です。

最近、健診について何度かご質問頂くことがありました。
その多くが、健診はどこまでやれば良いのか?というものです。

健診と言えば市町村で実施して頂く特定健診を思い浮かべる方が多いと思います。

また実際に受けている方も沢山いらっしゃいます。
受けている方はご存知ですが特定健診では、身体測定、血液検査、尿検査を実施します。

ここで1つご注意頂きたいことがあります。この特定健診の目的は、
「生活習慣病の予防のために、40歳から74歳までの方を対象に、
メタボリックシンドロームに着目した健診を行う」と記載されています。

高血圧症、糖尿病、脂質異常症が主なチェック対象となっています。
すなわち「癌を見つける健診ではない」ということです。

 

えっ、じゃあ癌のチェックはどうすれば良いの?という疑問が湧きますね。

 

ここから先は亀田総合病院が「予防医学の薦め」として提示してくれているがん検診の項目を記載します。

大腸がん検診:45歳〜75歳(便潜血毎年か大腸内視鏡検査3〜10年毎)、家族歴のある人は要相談。
胃がん検診:50歳以上(胃バリウム検査を1〜3年毎か上部消化管内視鏡を2〜3年毎)
乳がん検診:50歳(もしくは40歳)〜75歳(マンモグラフィーを2年に1回)、家族歴のある方は要相談。
子宮頸がん検診:21歳〜70歳(子宮頸部細胞診を2年に1回またはHPV検査5年毎±細胞診)
肺がん検診:50歳〜80歳、喫煙歴があり禁煙15年未満の方のみ低線量CT を毎年。

注:上記のがん検診は特に健診の利益が大きく、対象者が行うと効果的と科学的に証明されている項目。

 

上記は最低でもここまでは受けておいて欲しいラインとご理解頂くと良いでしょう。
幸いにも上記の内容は全て長野市のがん検診で受けることができます
(皆さんがお住まいの市町村でどのようになっているかはお調べ下さい)。

 

しかし検診ごとに各医療機関などへ出向くのも大変な事です。
そこで検討頂きたいのが人間ドックとなります。

原則自費となり費用負担は大きくなりますが
(会社や健康組合から補助が出る方もいると思います)、
一度に各種検査を実施してもらえるのは大きなメリットですね。

 

上記のがん検診の項目とさらに

肝臓・胆嚢・膵臓や大動脈瘤などのチェックのため
腹部超音波検査、骨粗鬆症チェックのため骨密度測定なども追加できればさらに安心となります。

 

逆に何処までやれば完璧なのかはとても難しい問題です。
PET検査という全身の癌を詳細に評価する検査もあり検診でも利用されています。
癌のチェックという意味では最強の検査となるでしょう。
しかしこの検査にも弱点(見つけにくい癌もある、費用が高額、被爆の問題があるなど)
はあり完璧とはいきません。

 

逆に検診をしたら心配しなくて良いような所見を指摘されてしまい、
余計な心配と検査をすることになったという方もいます。

 

私としてはぜひ最低ラインの検査だけは毎年しっかり受けて頂き、
それ以上の検査は各自の希望で実施して頂ければ良いと考えています。

今回は以上となります。
少しでも皆様のお役になれば幸いです。
ここまでお読み頂き誠にありがとうございました。

 

わかまつ呼吸器内科クリニック

若松俊秀

Illustration by Freepik Storyset

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