今回は「むずむず脚症候群」という病気についてお話します。
日本では人口の2~5%の患者がいると言われごく身近にある病気の一つです。
不眠症など違う病気だと思っている人や自分の症状が病気だと気付かずにいる人も沢山いると考えられます。日中の眠気の原因となっている事も多いのです。
1.下肢を中心とした異常感覚むずむず脚症候群の症状にはこんな特徴があります。
「むずむずする」「虫が這っている」「ピクピクする」「ほてる」「痒い」など脚の表面ではなく深部で起こり脚を動かさずにいられなくなります。
2.脚を動かしたいという強い衝動
安静時、座ったり横になったりすると数分位で脚を動かしたいと言う衝動が現れることが特徴的です。動けない時ほど不快感が強まります。
3.脚を動かすことにより症状が消失したり、緩和します。
動かしている間は症状が消失・緩和しますが運動を止めると間もなく再び症状が起こります。
4.症状が現れやすい時間帯がある。
夕方や夜になると最もひどくなります。眠る時も症状が起こる為睡眠が妨げられ不眠をきたしやすくなります。またようやく眠っても、下肢の異常運動(周期性四肢運動障害)等で目覚め、再び症状が現れ再入眠が妨げられます。
- 入眠時のむずむずによる入眠障害や睡眠中の周期的な脚の動きによる中途覚醒を訴えます。
- 睡眠時間の減少や質の低下により、日中の眠気を訴え、日中の疲労や活動性の低下を招きやすくなります。
- 疼痛や抑うつなど気分変動を伴いやすい事が知られています。
むずむず脚になるメカニズムはまだはっきり解明されていませんが、脳内のドーパミンの機能障害や鉄欠乏が関係していると考えられています。原因がはっきりわからない一次性、他の病気や薬などが原因の二次性があります。二次性の原因としては、慢性腎不全、鉄欠乏性貧血、妊娠、糖尿病、パーキンソン病、関節リウマチなどが挙げられます。
症状が軽い場合は薬物以外の治療で十分改善する場合があります。
・鉄分の補給
・むずむず脚の原因となるお薬の中止や減量
・カフェインや飲酒、喫煙の制限
・規則的な睡眠
・温かいお風呂や冷たいシャワー、ウォーキング、マッサージ、ストレッチなど
・原因となる基礎疾患の治療
これら非薬物療法を行ったうえでそれでも症状が気になるときは薬物療法を行います。
睡眠障害の一つとして位置付けられている「むずむず脚症群」(レストレスレッグス症候群)
当院でも検査や治療を行っています。お困りの方は当クリニックへご相談ください。
【検査技師 菅谷】